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2015年05月23日

日本の国宝を守れ!文化財修復会社トップは英国人アナリスト〜デービッド・アトキンソン氏

世界の沸騰する現場から

日本の未来あんしんを予測する!

お金も、保険も、人生も、

共に夢を叶えるパートナー未来あんしん隊!

ファイナンシャルプランナーの小柳善寛です。


日光東照宮の華麗な陽明門で修復を手がける小西美術工藝社は、300年以上の歴史を持つ

老舗の職人集団。

その社長は、元金融アナリストで英国人。

ひょんなことから社長に就任したが、「伝統」の名の下にどんぶり勘定で生活も不安定だった

職人の会社を大改革しました。

さらに、観光立国を目指す日本の切り札は、貴重な文化財だと主張。

知られざる文化財修復の世界に身を投じた、日本を愛する英国人の「伝統」改革と提言と

は?

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小西美術工藝社 社長

デービッド・アトキンソン さん


社長の金言

文化財こそ観光立国の切り札


デービッド・アトキンソン 1965年イギリス生まれ。オックスフォード大で「日本学」専攻。

ソロモン・ブラザース、ゴールドマン・サックスなどのアナリストを経て09年国宝や重要文化

財の補修を手がける小西美術工藝社に入社。

10年会長、11年から会長兼社長。

著書に「イギリス人アナリスト 日本の国宝を守る」

知られざる“文化財修復”のエキスパート集団

世界遺産・日光の社寺の1つで徳川家康を神として祀る「日光東照宮」。

今年は、家康の没後400年にあたり、観光客で賑わっている。

そして、境内では、国宝「陽明門」の修復が半世紀ぶりに行われている。

陽明門は、高さ11.1メートル。その一番上の層で、職人たちが息をつめて緻密な作業して

います。

修復費用は10億円で、作業は4年がかり。

修復を手掛ける小西美術工藝社は、創業300年以上の老舗で、東照宮が創建当時の姿を

保っている背景には、知られざる職人集団の存在がありました。

イギリス人アナリスト社長 古い因習をぶち破る!

そんな技術と伝統ある職人を率いるのは、なんとイギリス人のデービッド・アトキンソンさ

ん。

もともとはアメリカのゴールドマン・サックス証券の金融アナリスト。

全く畑違いの経歴だが、裏千家で茶名を持つなど日本文化への造詣は深い。

次期経営者を探していた小西美術の前社長に「数字が分かって日本文化にも詳しい」と

請われて入社しました。

しかし入ってみると、「伝統」という名のもと職人の世界はどんぶり勘定で、解決すべき

問題が山積していました。

例えば若い職人の離職率は8割近く、職人不足が深刻でした。

そこで、アトキンソンは、300年の伝統を持つ会社で様々な改革に乗り出しました。

アトキンソン改革?:職人の正社員化と待遇改善

アトキンソン改革?:どんぶり勘定を止め徹底的に無駄を省く

アトキンソン改革?:仕事の進捗状況や原材料仕入れを数値化し効率アップ

失敗を謝り修復やり直し 最高の品質を守る社風へ

さらに、アトキンソンは、高い品質を要求する。陽明門の社内検査でも、職人の仕事に容赦

なくダメを出すそうです。

そこには、苦い経験がありました。

アトキンソンが社長に就任する前の住吉大社の補修で、塗装がすぐには剥げ落ちるという

大問題が起きていたのです。

アトキンソンは何度も門前払いをされながらも住吉大社に足を運び謝罪。

そして、修復をやり直し、住吉大社の信頼を回復しました。

「外国人社長」に反発していた職人たちも、その姿を目の当たりにして、アトキンソンを

見る目が変わりました。

そして、アトキンソンが求める高い水準の仕事をしようと、より良い仕事をするように

なったそうです。

熊谷の奇跡に学べ‥観光立国の切り札は文化財

小西の修復によって激変した寺社があります。

埼玉県熊谷市にある「歓喜院(かんぎいん)」です。

建立されてから260年が経ち、本殿はボロボロでした。

しかし、2003年から7年がかりで、総額13億円かけて修復した結果、なんと国宝に

指定されたのです!

観光客数のデータさえなかった寺は、年間82万人が訪れる観光名所に変身。

アトキンソンは、「日本が観光立国を目指す切り札は文化財」と主張。

文化財の修復に国がもっと力をいれるべきだと主張しています。

◇重要な観光資源の文化財にもっと投資を

 訪日外国人は昨年、1341万人と過去最高を記録しました。

前年に比べ約30%増と「観光立国」に弾みがついたようにも思われるが、欧米や中国などに

比べるとまだ少なくハード、ソフト両面の課題が多いようです。

イギリス人でありながら日本の文化財補修の老舗企業のトップに就いた小西美術工藝社件長の

デービッド・アトキンソン氏は「日本経済の再生は『観光立国』」と提言します。

日本をよく知る外国人の視点から、日本の文化、観光の可能性についてのコメント

−−「観光立国」が日本の経済の復活を果たす、と言っています。

アトキンソン氏
 

世界の国々を見ると観光はGDP(国内総生産)の9%を占めていますが、先進国で日本だけ

が2%と極端に低いのです。

戦後の経済発展の中で工業とか最先端技術を追求してきたのは良かったのですが、多面的な

経済運営をしてこなかった。

あまり力を入れてこなかった観光を世界の平均にするのはそんなに大変ではないと思います。

9%にするだけで40兆円の経済効果になります。

−−そのためには何が必要ですか。

アトキンソン氏 

日本は潜在能力で恵まれている立場にあることは間違いない。

観光立国になるには食、気候、自然、文化−−の4条件がそろっていることです。

日本の食は言うまでもなく素晴らしいし、気候にも恵まれ、ビーチリゾートもスキーもで

きます。

自然は多少問題があるとはいえ、山も海も田園風景もあり、北海道から沖縄まで多様なものを

楽しめます。あとは文化です。

 文化は動かないものと動くもの、つまり、建造物と芸能です。建造物は東大寺、春日大社、

姫路城、日光東照宮、中尊寺の金色堂とかいろんなものがあります。

芸能は、能、歌舞伎、神楽、茶道、華道などいろいろな売り物があります。

ただ、今まではそんなに意識してはこなかった。

文化財を観光資源として考えていないからお金をかけず、最低の修理しかやってこなかった。

約250万人の外国人が訪れる京都を見ても古い街並みを壊し、どこにもあるような建物を

次々に建てています。フィレンツェとかローマでは決して許されない。

−−2020年には訪日外国人2000万人を目標にしています。

アトキンソン氏 

数字合わせでしのいでいることも否定できないと思います。

アジアの人たちが増えているのですが、円安やビザの緩和などで仕入れに来ているのです。

アジアの客は短期滞在で、多くは、日本ブランドではあるが日本製ではないものを買って

いるのです。

家電製品などほとんど大陸の方で製造した輸入品で、表面的に多額のショッピングをしてい

るように見えますが、中身が違います。こういうものを買っている以上、経済効果は思わ

れているほど大きくはありません。

 一方、先進国の人はお金を持っています。お金を持っている人を呼んで落とす機会

を与えなければ、金にならない。お金持ちが求めているサービスを提供しなければ、お金を

使わせる機会も与えていません。

文化財もその通りで、神社であればおさい銭程度で終わってしまいます。

出せるにもかかわらず、出すためのサービスを提供していない。

神社仏閣などの文化財は日本人の専門家のために建っているというだけで、解説はしてい

ない。観光鎖国状態なのです。

−−「おもてなし」が日本の特徴と言うのは誤解であると言っていますね。

アトキンソン氏 

外国の人たちが来ているのはおもてなしがすごいからではないのです。

そもそもおもてなしというものはサービスが評価されても自分から言うものじゃないと思い

ます。

それがなぜいきなりおもてなし大国みたいなことになったのか理解できない。

「これが素晴らしいサービスです」と自分から押し付けていくのは、サービス精神そのもの

と矛盾するのです。

 以前、関西空港で、食事をしようと思って午後8時5分ごろに料理を提供しているちょっと

した売店に入り、カレーライスを注文しようとしたのですが、「8時で終わりです」と言

われ断られました。

9時以降に出発する飛行機の乗客もいるし、売店にも人がいるのに、8時でサービスを

終わるというのがおもてなしと言えるのですか。

これは一例ですが、同じようなことが山ほどあります。

赤坂の料亭でも10時に「閉店です」と言われました。

マニュアル化された中でサービスの質がいいというのであればそうかもしれませんけれど、

おもてなしとはマニュアルにない臨機応変のサービスをすることだと思います。

マニュアルにないことはできないというのはおもてなしにはならないと思います。

−−イギリスでは「閉店です」とか言わないのですか。

アトキンソン氏

 それなりの店では言わないです。ある程度のところまで行くと、別の言い方があったり、

追加料金が発生することもありますが、「あなたたち帰りなさい」というのはお客さんに対し

て言えないですね。

日本人同士の暗黙の了解と今までの呼吸を合わせたようなルールが最高のものだと思っている

かもしれませんが、世界70億人の人が日本人と全く同じ価値観で物を見ていわけではありま

せん。

お金を使い、時間をかけて日本まで来ているにもかかわらず、自分たちが決めた日本人同士の

ルールでこれがおもてなしですと、いうことはおもてなしの心が飛んでいるのです。

−−日本の文化財の現状は。

アトキンソン氏 

日本の文化財は素晴らしいとは思いますが、ぼろぼろのものでも文化財修理に国は

81億5000万円の予算しか出していません。

文化財修理予算は大事な指標で、イギリスの予算は500億円です。

日本は少なくとも200億円くらいに増やすべきだと思います。

120億円増えれば立派なものができます。文化財は観光立国の大事な資源としてちゃんと

したものにしなければいけないのに、本格的に取り組んでこなかったということです。

本質的なところは日本の文化財をどういうふうに見せて、どういうふうに解説して、

どういうふうにお金をもらうのか、というところです。外国語表記を増やして、素晴らしい

解説があれば効果も期待できますが、モノ自体が腐っていれば無意味だと思います。

文化財にちゃんと投資をすれば見に来る人は増えるのです。

日本の観光資源を付加価値の高いものに持っていくにはビーチリゾートとかいろんなところ

を整備し、文化財費を増やすことも必要です。

 現在は文化財を何年に修繕しなければいけないというようなデータもなく、多くの場合、

建物の修繕をする基準は雨漏りが起きるという緊急事態があるかどうかです。

建物が傾いたからといって修繕はしない。予算を増やしてそういうのを防ぐことが必要だと

思います。

−−文化財の修理を請け負って感じることは。

アトキンソン氏 

入札制度を取り入れていますが、国土交通省がやっている総合評価落札方式のようにやれば

いいのです。

人をかき集めてやってはだめだとか、技術を求められる仕事は資格のある人がやるとか、

悪質業者を排除する、もしくは是正するための法律があるにもかかわらず、文化財では実行

されてないのです。

文化財修理では資格もありません。

人の髪の毛を切るのに国家資格が要るのに看板さえあれば、文化財の修理は誰がやっても

いいことになっています。

建設業の免許を持っていない会社が入札に参加するケースもある現状はおかしいと思います。

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posted by 未来あんしん隊 ゼンカンライフプラザ at 19:38 | BLOG
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