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2015年05月31日

経営は現場が決める!〜感動の仕組みを生んだ奇跡の外食チェーン

世界の沸騰する現場から

日本の未来あんしんを予測する!

お金も、保険も、人生も、

共に夢を叶えるパートナー未来あんしん隊!

ファイナンシャルプランナーの小柳善寛です。


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ランチの平均客単価1200円以上。

それでも連日、大行列ができる飲食店がある。牛たん・麦とろ飯で知られる

「牛たん専門店・ねぎし」です。

圧倒的なリピート率と高い顧客満足度を誇る人気店で、その接客ノウハウは、あのトヨタまで

もが参考にしているというのです。

不振が噂され、人材確保もままならない外食産業で、低い離職率と高い満足度を生み出す

「ねぎし」。

“外食の奇跡”とも言われる「ねぎしの独自すぎる経営術」を徹底解剖してみましょう!

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経営は現場が決める!

感動の仕組みを生んだ奇跡の外食チェーン

ねぎしフードサービス 社長

根岸 榮治 様(ねぎし えいじ さま)


社長の金言

人を成長させることで会社を成長させる


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株式会社ねぎしフードサービスは、都心に集中出店するドミナント戦略により店舗数を

増やし、ブランドイメージを確立することで、商圏のマインドシェアを高めてきました。

「ねぎしの5大商品」(Q:クオリティ)(S:サービス)(C:クレンリネス)(H:ホスピタ

リティ)(A:アトモスフィア)を提供価値に掲げてお客さま満足度を高め、固定顧客・

ロイヤルカスタマーを増やして成長を遂げた一方、BSEなどのリスク、競合店の進出、ニーズ

の多様化などの環境変化に迅速に対応し、商品の品揃えも増やしてきました。

また、全体の8割を超えるアルバイト(うち外国人25%)を抱える雇用形態の中でダイバーシ

ティマネジメントを推進しつつ、「人財共育」や自由闊達な組織風土づくりを重要視し、

経営幹部からアルバイトまで全社一体となり、対話による気づきを通した自己革新のための

取り組みを展開することにより、外食産業全体が厳しい市場環境の中、着実な業績をあげて

います。以下が、今回の審査で高く評価された点です。

牛たん専門で満足度90%!最大の戦略は「親切」

ねぎし1番の人気メニューは、「たんとろセット」1480円。

ねぎしの牛たんは、ランチメニューとして、低価格での提供はしていないため、お昼でも

この値段。

それでも苦戦するまわりの店を尻目に連日、行列が出来るのです。

その秘密は、社内の“焼師”が絶妙な柔らかさで焼いた牛たん、大和芋のとろろ、麦めし、

テールスープ…この健康的で大満足な定食メニューが、新たな女性の顧客層を増やし、

ねぎしの強さを支えています。

しかし、ねぎし最大の商品であり、戦略は「親切」だという。客が薬を取り出せば、

即座に水が運ばれ、女性客のおかわりには、あえて声を出さない…店員たちは、サッカーの

ように守備範囲を決め、客の動きを最大限見逃さないフォーメーションで、マニュアルでは

不可能な「親切」を提供する。何故ねぎしは、価格競争とは無縁の独自の集客を続けられるの

か?その裏側に迫ってみましょう。

スタッフが全員逃亡からの再挑戦!

価格戦略でなく、現場スタッフたちの高いモチベーションで、他がマネできない競争力ある店

を作り上げた、ねぎし。

その原点は、東京で牛たん専門店を開く前の根岸の体験にあります。

30代の頃、仙台を中心に、東京でヒットしている業態を地方に持ってきては開業するという

スタイルで外食を展開していた根岸。

ある時、店へ顔を出すと、スタッフが全員逃亡し、同じ業態でオープンするライバルの新店に

引き抜かれるという事態に直面。

根岸は「短期的な利益を求めても、結局は現場の人材力がなければ店は永続しない…」

そう気付き、地に足をつけて人材を育てることで競争力を付ける経営へと転換したのでした。

そんなねぎしは、34年間で34店舗という、地道な出店ペースを守り続けています。

波瀾万丈の中で見つけた、根岸の経営の原点に迫ります。

現場が会社の仕組みを作り、経営方針を決める会社

ねぎしの本社は、驚くほど質素な雑居ビルにあります。

築30年以上とおぼしき狭い4階のワンフロアだけ。

実はねぎしは、本社のことを「サポートオフィス」と呼び、店を支援するためだけの存在と

位置づけています。

まさにこれが、ねぎしの経営の本質を表していると思います。

ねぎしでは、店の現場スタッフのアイデアにより、運営の全ての仕組みを作り上げ、毎年の

目標や経営方針も、店長たちが決定しているのだそうです。

例えば、清潔さを保つプロジェクトでは、本部マネージャーが監督するのではなく、店長同士

がチェックし評価。

また、人材教育に関する効果のあるやり方が考案されれば、運営規則を変更し、全店に導入

するというのです。

しかも、社長の根岸は、そういった店を評価する行為に、一切関わらないのが決まりなんだそ

うです。「経営の主体は現場」という、ねぎし流の経営術は・・・。

故郷の店を整理して81年に東京で牛タンの専門店を開店

経営の質が問われる時代です。

米国ではこの経営の質を評価された企業に「マルコム・ボルドリッジ賞(米国国家経営品質

賞)」が贈られます。

受賞企業は名だたる有名企業ばかり。

なかなかの狭き門だ。その日本版に日本経営品質賞があるが、これも受賞は難しいのです。

この賞の中小企業部門を2011年に受賞したのが、株式会社ねぎしフードサービスです。

新宿、銀座、池袋などで牛たん専門店「ねぎし」を30店舗展開する会社と言えばわかりが

早いようです。同社の今年度の売上高は前年度比14・2%増の45億円の見通し。

「ここ3年半の間で既存店売上高が前年同月比マイナスになったのは、東日本大震災がありま

した2011年3月の一回だけ。

常に5〜6%の伸びを確保しているそうです。

これから10年かけて新宿から30分以内のエリアに「ねぎし」を集中的に出店させ、目標の50店

舗、年商80億円を達成したい」と同社社長の根岸榮治は語ります。

現在の30店舗から50店舗へ拡大するだけなら、10年も必要ないように思えるがそれが違うのだ

とか・・。根岸社長は決して急ごうとはしない。なぜか?

「働く仲間の幸せと100年企業実現のための経営」を行なっていくには、従業員の育成が

何よりも大切だと考えているからだそうです。

根岸が故郷である福島で運営していたカレーハウスやラーメン店など20店舗を整理して、

新宿・歌舞伎町に1店舗目のねぎしを開業したのは1981年のこと・・。

牛たんなら職人技術に頼ることが少なく、低カロリーかつ高たんぱくで健康志向にもマッチ



また、それまで酒のつまみとして出されることが多かった牛タンを、「ねぎし」ではとろろと

麦飯を加えた食事主体のセットメニューにして、女性客も取り込めるようにしたのです。

高尚な理念や目的を掲げても実践できなければ意味がない

その後、順調に店舗数を増やしていた根岸に大きな転機が訪れるました。

それは98年、日本経営品質賞を受賞したゴルフ場の支配人の講演を聴いたときのこと。

「確かに経営理念はあったのだが、お題目を唱えているのに過ぎず、自分たちが何のために

利益を追求しているかが抜けていることに気が付いたのです。

従業員は自分たちの仕事を?他人事?として捉え、単なる?作業?にとどまっていた」と

根岸社長は振り返ります。


そして日本経営品質賞の基本理念と自社の経営理念とのすり合わせを行なった。

さらに「働く仲間の幸せ」「日本のとろろ文化に貢献する」「おいしい味づくりで楽しい

街づくり」という自社のミッションを明確にし、それを実現するための仕事の目的を「お客さ

まの喜びと満足を得ること」「5大商品を高いレベルで提供すること」と位置づけ、活動の

源泉である利益を得るように考え方を転換させたのでした。

しかし、いくら高尚な理念や目的を掲げても、実践できなければ意味がない。

「どんなことでも?わが事?ととらえて、お客様と真正面から向き合って仕事ができるように

する仕組みが何よりも重要だ」(根岸)と考えました。

ねぎしの顧客のリピート率は7割だが、この高率を維持できているのも、そうした仕組みが

あるからなのでしょう。

従業員の表彰には必ずお客様のコメントがついている

この顧客の喜びと満足を得るための仕組みの一つが、毎月行なわれる「親切賞」の表彰です。

店舗内のすべてのテーブルの上にはアンケート用紙が置いてあり、毎月1100通前後の回答

が寄せられています。

料理の味などを5段階評価する項目のほかに、意見や要望などを自由に記載できる欄があっ

て、従業員の個人名をあげながら接客などに対するお褒めの言葉を数多くもらいました。

そうした従業員を毎月全員表彰しているのだそうです。

「久しぶりに来店したのにもかかわらず、私のことを覚えていてくれて『冷たいお茶ですね』

と笑顔で迎えてくれた加藤さんの態度に一日の疲れが吹っ飛びました」

表彰された従業員の表彰状には顧客のコメントが付けられており、1000円分の食事券と

共に贈られます。

今年1月の受賞者は259人。従業員は正社員95人、アルバイト790人の合計885人。

いかに多くの従業員が顧客から高い評価を得ているのかがわかります、

「表彰では店長がお客様のコメントを読み上げます。

それが受賞しなかった従業員のヒントになるし、自分も頑張ろうという気にさせる。

そして、お客様が何を望んでいるのかを考えながら仕事をするようになる」(根岸)

のだそうです。

また、同社では店舗清掃のレベルを競う「クレンリネスコンテスト」を年に2回行なって

います。

基準に沿って採点が行なわれ、上位に入賞すると賞金が授与されます。

一方、下位の3店舗には「もっと掃除をきちんとしなさい」という意味で雑巾が授与される

ます。

この雑巾授与という不名誉な賞を1回受けたくらいならまだいいが、2回、3回と重なって

くると店長は焦りを感じ始めます。

一緒に働いている従業員から店長としての力量に疑問符が付けられていることがわかってく

るからだそうです。

すると店長は上位に入賞した店舗を従業員と一緒に訪問して、どんな取り組みをしているの

かを教わる。そして、店に戻って全員で改善策を考え、率先して実践するようになる。

「ここで大切なことは、店長が従業員をともに働く仲間として再認識すること。

時給の決定など店長には強い権限が与えられている。

だからといって怒鳴っていたら、従業員は背を向けてしまいます。

仲間意識を持つことで初めて従業員との信頼関係が構築され、同時にリーダーシップも学ぶ

ことができる」と根岸社長は説明されます。

収益ランキングで最下位の店長でも堂々としている理由

こうした親切賞やクレンリネス大会などの仕組みを、根岸は「人材教育」ではなく

「人財共育」だと考えています。

一人ひとりの従業員が会社にとっての貴重な財産で、皆が共に育っていくという意味だそうで

す。

そして、その人財共育を進めていくうえでの重要なポイントがあるのだと根岸社長

は語ります。

「PDCA(Plan, Do, Check, Action)のサイクルがあるが、従業員もPの段階から

参加してもらうことが大切。

決め事を押し付けられると、人間は?他人事?ととらえてしまう。逆に自分たちが決めたこ

となら?わが事?としてとらえ、作業ではなく仕事を行なうようになっていくからです」

同社ならではのエピソードとして、各店舗の収益ランキングで最下位の店長でも堂々として

いたことがあります。

収益が上がらないということは客数が少なく、店が暇だということ。

それを逆手にとって店長は人財共育を徹底させ、サービスの質を高めることで、先の

アンケート回答で常にトップレベルの顧客満足度を保持していたのです。

「そもそも立地や店を決めるのは社長で、何をやっても売れないのなら社長が悪い。

店長が恥じる必要などない。

でも、その店で顧客満足度が一時落ちたことがありました。

すると彼らは原因を全員で協議して考え、対策を話し合いました。

そして、すぐに顧客満足度は改善され、その改善策を全店で水平展開したこともある」

こうした数々の取り組みを評価されたのが冒頭に紹介した日本経営品質賞です。

こうした取り組みがある限り同社は目標の「100年企業」を10年以内に着実に実現させて

いくことだと思います。


村上 龍 編集後記


外食産業は岐路に立っている。消費者は舌が肥えていて、移り気だ。

「ねぎしフードサービス」は、従業員の意識改革、やらされ感の改善に取り組むことで、

確かな地位を獲得した。

モチベーションの向上が必須、などと簡単に言うが、これほどむずかしいことはない。

根岸さんは「店長への決定権委譲」など、システムを作り上げた。

そのシステムは「信頼」がベースになっている。人と人の信頼は、育むのに長い時間が

かかる。

また、自らを信頼していないと、他人への信頼も生まれない。

人は、案外、脆いものだ。信頼だけが、その脆さを補う。

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posted by 未来あんしん隊 ゼンカンライフプラザ at 17:16 | BLOG
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